ヘッド・アンド・ショルダー型の反転パターン
大きな上昇トレンドで山と谷を連続してつけながら上昇していた相場が、次第にその勢いを失い始めた場合を考える。
上昇トレンドはしばらく平坦になり、この間供給と需要は比較的平衡を保つ。
この状態が完結すると、新しい下降トレンドが形成される。
上昇トレンドが天井をつける兆候もなく普通に続いている。
取引高→価格が新高値へと動くに連れて拡大する(通常の動き)。
ーA点
取引高→Bへの調整の過程で取引高は減少(通常の動き)。
ーB点
あれ?
A点地点を抜けた時点での取引高が前回ラリーより若干少ない。
…さほど重要ではないが、心の片隅に止めておく。
ーC点
あれ?
前の天井であったA点よりも価格が下に及ぶ。
(通常は、突き抜けたA点ラインがサポートとして機能するはず)。
反転水準のB点近くまで下落した。
→上昇トレンドに異常が生じていることへの警告!
ーD点
ーE点
取引高が比較的少量。
前回つけたC点の天井に達しない。
→下降トレンドが始まるのではないかという予想。
ロング・ポジションは手仕舞い。
ショートを作るほどの正当性はない。
C点とD点を結んでネックラインを引く。
ーF点
取引高の増加を伴い、終値でネックラインを割り込む。
(ない場合もあるが)
ーG点
ヘッド・アンド・ショルダーが完成した後、少しだけ反転の動きを見せる。
ネックラインを割り込む時の取引量が少ないと反転の可能性が比較的大きい。
揺り戻しは大きい取引高を伴わず、新しい下降トレンドの再開の方が著しく多い取引高を伴う。
目標価格の推測
目標価格の推測はパターンの高さに基づいて行う。
ヘッド(C点)からネックラインまでの高さ
=ネックライン突破から目標価格
価格は突破したネック・ラインの上で動いたのとほぼ同じ幅でネック・ラインの下を動く。
ただし、推測の結果出てくる目標はターゲットの最小値にすぎず、価格が目標値をはるかに上回る幅で動くことはよくある。
逆ヘッド・アンド・ショルダー
天井パターンを鏡で映したもの。
三つのはっきりした底、頭の部分は両側よりも少し低い、ネックラインを突き抜ける決定的な動き。
強気相場のあとで再びネック・ラインへ向かって反落する傾向が強い。
最も重要なことは、ネック・ラインを抜けるラリーの際に取引が激増しなければならない。
市場は動きがなくなると、下落する。
惰性で上昇していくことはない。
価格は需要が供給を上回り、買い手が売り手より積極的である時にのみ上昇するのである。
複雑型のヘッド・アンド・ショルダー
ヘッド・アンド・ショルダーには、二つの頭や、二つの肩など、変形が見られることがある。
ヒントは、対称系を取ることが多いということ。
つまり、左肩が一つであれば大抵一つの右肩の形成を暗示し、二つの左肩は二つの右肩形成の可能性が強い。
完成仕損じたヘッド・アンド・ショルダー
最初は典型的なヘッド・アンド・ショルダー型反転パターンのように見えながら、ある時点で価格が元のトレンドに戻ってしまうことがある。
ここで二つの教訓。
チャート・パターンはほとんどの場合うまく機能するが、常に絶対ではない。
テクニカルトレーダーは常に、自分の分析の誤りの可能性を示すチャート・サインに気をつけていなければならない。
先物市場で生き残る秘訣の一つは、損失を限定し、損失を出した取引はできる限り速やかにやめること。
自分の誤ちに気づいたらすぐにそれを認めて防御策を取れる能力と意思こそ、先物市場に置いて看過せざるべき重要な資質である。